石垣島で一泊キャンプの夜、暗い海岸で、みんなで砂浜に腰を下ろして、輪になっておしゃべりをした。9月中旬の風も無くて心地の良い夜、私を含めてほとんどの人が半ズボンだった。
時々、足にチクチクとした感覚があった。痛いというほどでもなく、少し尖った砂粒が触れたのかなと思う程度。ほかの人も「チクっとするなあ」と呟いていた。
翌朝、数人のメンバーの足が赤い斑点だらけになっており、痒いと言う。私の足にも少数の赤い斑点があるが、痒くはない。
八幡さんは「なんだろう?モッコかダニか普通の蚊か・・・」と言う。モッコ?初耳の名前だ。
カヤックを漕いでスタート地点へ戻り、片づけをして解散した。私はその日は石垣市内に泊まるのでホテルへ。
午後にホテルへ入り、あらためて膝下を見てみると、赤い斑点の数は朝よりも増えていて、両足で40~50ヶ所あった。痒みも気になり始めた。
斑点は平坦な円形。蚊やブヨに刺された場合は隆起するが、ほぼ平坦~わずかに膨隆する程度。円の直径は1cm前後で、中心に小さな刺入部が見られる。このような外見の虫刺され痕は、いままでに経験が無い。
夜になると痒みはさらに強くなり、眠れないほど。冷たいシャワーを足に浴びせて皮膚の温度を下げると痒みは緩和するが、また痒くなって眠れないというのを繰り返した。
翌日(刺されて二日後)はさらに痒くなり、かゆーい!と叫びだしたくなるほどだが、移動のバスや飛行機内では叫ぶのをこえらた。羽田空港に戻り、自分の車に乗った瞬間、「かゆいんじゃボケエエエ!!」と絶叫した。
刺されて三日後以降もまだ痒くて、内服薬や軟膏を塗っていたがあまり効果は無く、氷や保冷剤で冷やし続けた。間違いなく人生で一番かゆい日々だった。
掻きむしらないように気をつけながら、かゆいかゆいと呻いて、のたうち回るしかなかった。
刺されてから7日ほど経過すると、痒みはおさまり、10日ほどでだいたい治まった。
この痒みの原因はなんだろうか? 暗い夜で、犯人の姿は誰も見ていない。しかし、状況と症状からしてヌカカ(モッコ)が犯人と推定・・・いや、断定する。
wikipedia「ヌカカ」より引用。
「ヌカカ(糠蚊)は、ハエ目(双翅目)・ヌカカ科 (Ceratopogonidae) に属する昆虫の総称。体長が1mm から 1.5mmほどの小型昆虫」
「磯やキャンプ場などに棲息しており、身体が小さいために網戸などを抜けて人家に侵入することもある。蚊と異なり、刺咬された直後は刺された感触もなくほとんど痒みはないが、翌日以降に腫れと痒みが起こり、小さな水ぶくれができることもある。完治まで1週間以上かかることもある。」
自分と似た体験記
うむ。犯人はこいつに違いない。許すまじ。
下等生物が!!よくもこの私を!!苦しめてくれたなあああ!!
ちなみに、同じ場所にいた6人中、刺された痕が無い人が2人いた。
1人は、長袖・長スパッツで肌の露出をしておらず、さらに服の上から虫よけスプレーをかけていたと云う。
もう1人は八幡さん。半袖・半ズボンだったが無症状。推測でしかないが、八重山在住歴が長いのでモッコ免疫を既に獲得しており刺されても無症状なのかもしれない。もしくは、虫も喰わない野生児。
場所・気温・風の強さなどの発生条件があるようなので、ビーチに常在してるわけではないけれど、一度こんな目にあうと今後は警戒してしまう。対策としては、肌を露出しない&虫よけスプレー、ですかね。