鵡川 インシデントレポート

インシデントレポートです。失敗談を話すのは気が進まないけど、隠すのも嫌だし、他山の石として参考にしてもらえばと思います。
春のソロダウンリバーの記事でダウンリバーについてエラソーにドヤ顔で語ったくせに、その3ヵ月後に同じ川で怖い思いをしました。ほんとアホ・・・。

読んだ人が分かりやすいように簡潔に書こうとしたけど、どうしてもまとまりの無い記述になってしまいます。客観的に見れる動画記録があればいいのですが撮影してないし、俯瞰で見ていた人の証言があればいいのですがそれも無いし、よって私の主観でしか思いおこせないので、私の当時の心境・心の声を中心に書くことになり、読みにくいです。同じ内容が繰り返し出てきたりします。

他人から見たらたいしたできごとでは無いのかもしれない。「沈脱しちゃいました~」のひと言で済む話を、こんなに長文で書く必要も無いのかもしれない。客観的にはたいした事ではなくても、主観では怖かったということで。

以下の順で書きます。《状況・おおまかな時系列》、《ピン脱→上陸まで》、《張り付いたカヤック剥がし》、《反省・たられば話・恐怖心》、おまけで 《スズメバチ刺傷》、《余談》

《状況・おおまかな時系列》
場所:鵡川の赤岩青巌峡と呼ばれる区間。春にソロで下ったのは赤岩橋より下流だが、今回はそれより2km上流からスタート。沈脱したのは、スタートしてから1km過ぎにあるビッグママという瀬。カヤックが張り付いたのは、ラフトスタートの瀬。
水位:福山169.4x-5xくらい。増水時に出現するニニウホールのベスト水位よりもさらに40-50cm多い。この日のHOAブログを見ると、水の濁り具合や、パットさんが乗ったカヤックが水没してる様子などから、増水ぶりがうかがえる。
メンバー:3人。私、Aさん、Bさん。ビッグママは私は初めて、Aさんは経験あり。Bさんは足を怪我していた。 

おおまかな時系列
・スタートして最初の1kmは増水してるものの、3人とも余裕あった。
・上陸してビッグママをスカウティング。
・カヤックに再び乗る直前に、膝をスズメバチに刺される。
・漕ぎ出す。後半の落ち込みで脱。上陸。ここまでは《ピン脱→上陸まで》で詳しく後述。
・流されたカヤックがラフトスタートの岩に張り付いた。途方に暮れる。HOA登場。剥がしてくれる。《張り付いたカヤック剥がし》で詳しく後述。
・再乗艇。当初に設定したゴールはラフトゴールだったが、赤岩橋の上流で上陸して中断にした。

《ピン脱→上陸まで》 事実と私の心情が混じっていて読みづらいです。
スタート地点で漕ぎ出す直前に、PFDの紐をさらに強く締めた。虫の知らせがあったのか。
最初の1kmは3人とも余裕あった。AさんもBさんも、しっかり漕げる人。
ビッグママの手前で左岸に上陸してスカウティング。瀬の前半だけを見ても、流れが集まって流速があり、迫力ある。
本流に乗れば問題なさそうにも見えるが、本流から右岸に向かう流れもあって、その流れは右岸に倒木を集めている。これにはBさんが「右岸に寄せられそうですね」と気が付いた。シーブではなさそうだが、あそこには近づきたくない。寄せられたら倒木に体が絡んでしまうかもしれない。
瀬の前半だけを見て、後半の落ち込みまで見に行かなかった。不十分なスカウティングだった。
スカウティングを終えてカヤックに戻る際に、膝にズキンとした痛み。痛い!と声を上げる。膝の高さに蜂が2匹いた。おそらくスズメバチ。いま思うと、まさに虫の知らせ。
気分不快などの急性症状は無いので、この瀬を下ってからハチ刺傷の対応することにする。いま思うと、ビッグママの迫力に気圧されていたのかも。だから、ハチ刺されよりも下ることのほうが気がかりだった。
左岸から見た瀬の入り口。右岸側(写真の奥)のルートを通る。
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Aさん、私、Bさんの順に下る。Aさんが前半に良いラインに乗ったのは見えた。後半どうなったかは見えない。間を空けないように、Aさんが下り終えたであろうタイミングで私がスタート。
前半で右岸に寄せられてしまう。カヤックが90°横倒しになったのを、スイープでリカバリーする。寄せられた右岸は浅いので、パドルで地面を突いて起き上がった気もする。右岸に寄せ集められた倒木が近くまで迫っていた。怖い。
ここで、ゾーッとした恐怖心が沸いた。「私、ぜんぜんボートコントロールできていない」 ノーコントロールの恐怖。心がぶるぶる震える。いや、弱気になったら負けだと、自分を奮い立たせて進行方向を向く。
最後の落ち込みが見えた。よし、これを下りれば瀬も終わりだ。前傾して力強く漕いだ、つもり。
落ち込みを下りたら、カヤックがガクンと止まった。「これはもしやピンというやつでは・・・」と思った2秒後に、スプレースカートが水圧で外れて、私はパドルを持ったまま水中へ。
(自分でスプレースカートを外していない。カヤックが転覆して脱したら沈脱と呼ぶだろうけど、ピンして水に脱がされたのでピン脱と呼ぶことにする。別にうまいこと言ったなんて思ってませんよ。)
水中に出されてから3秒後くらいに、浮力を感じないことに気づく。通常なら脱して3秒もすれば浮上するはずだ。体に強い水圧は感じない。弱い力でゆっくりと水平方向に流されている。川の深い部分の流れに乗っていたわけだが、当時はそのことに考えはおよばなかった。
重力による上下感覚は無かったが、日光の明るさで上は分かった。
沈脱した際にはフローティングポジションをとり、フットエントラップメントを回避することが基本だ。しかし、私がとった体勢はその逆だった。浮上したい、浮力を感じたい。その一心で、両手両足を伸ばした。しかし浮力は感じなかった。上へ伸ばしたパドルにも水を掴む感覚は無かった。私は上を見続けた。
何秒くらい経過しただろうか。主観的には15秒くらいあった気もするけど、本人は実際よりも長く感じるものだろうから、そんなに長くはないのかな。息は止めていた。「あと数秒しても浮かなかったらパニック起こしちゃうかも」と思い始めた時に、浮力を感じて、体が浮き上がり水面に出た。
浮力を感じ始めてから水面に出るまでも、けっこう長かった。これも主観だが、浮上するまでの長さからして、頭から水面まで2m以上あったと思う。これは知りようもないが、足先から川底までも、まだ深さがあった気がする。ビッグママ下流はかなり水深ありそうです。
浮上したらAさんの姿が見えた。よかった、Aさんは無事に下ったんだ。私は左岸に向かって泳いで、自力で上陸できた。Bさんが下ってきた。よかった、Bさんも無事だ。

見ていたAさん曰く、カヤックが止まった時には上半身は水面に出ていたらしい。ピンした直後に私が脱したのも見えた。カヤックは流れ出したが、私が消えてしまったので、事故を予感してとても怖くなったらしい。私が浮き上がるまでが何十秒にも長く感じたらしい。私が脱したあたりを見つめていたら、私がずっと下流から浮き上がってきたので驚きとともに安堵したとのこと。私本人以上に見ているほうが怖かっただろうな。

《張り付いたカヤック剥がし》
私の上陸を確認したAさんとBさんはカヤックを追いかけた。私も左岸の岩場を下流に向かって歩き出した。カヤックは下流で、流れの真ん中にある岩に張り付いていた。
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Aさんが、下記イラストの岩1の後ろの一艇ぶんのエディに入って、岩1に登り、さらに岩2に移動して、カヤックを動かしてみると提案してくれたが、私は断った。
一艇ぶんのエディから岩1に登るのは難しそうにみえたし、カヤックは岩2にがっちりと張り付いてるのでAさん一人でカヤックを押したり引いたりしても動くようにみえなかった。その過程で、もしAさんが落水したらそれをレスキューする人がいないので、2次災害になると思ったからだ。
じゃあ、カヤック無しでどうするの。周りにはエスケープできる道路は無い。体ひとつで下るのは怪我しそうで不可。何度も下っている川で、この先に何があるか分かっていれば体ひとつという選択肢もあるだろうけど、初めての区間ではとても無理。
あとは、減水傾向なので、水位が変わってカヤックが自然に外れるのを待つか。それって何時間かかるのさ。待っても外れないかもよ。
進退が窮まり、途方に暮れた。
そこにHOA登場。HOAが鵡川ラフティングツアーでお客様を連れてラフトスタートに現れた。岸でションボリしている我々を見て異状を悟ったようだ。カヤックに乗ったHOA代表パットさんと、ラフト2艇に乗ったスタッフ4人、計5人とお客様が中洲に着岸。トレーニングされたスタッフ達はパットさんの指示どおりに動き、迅速にレスキューしてくださいました。
写真は後日撮影のラフトスタートから見た中州
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*レスキュー手順。イラストと動画も参照ください。
・パットさんとスタッフ2名は中州、他の2名は左岸へ配置。
・最初に、Aさんが岩1の後ろの一艇ぶんのエディに入り、岩1に登る。
これはAさんの身体能力の高さによるところが大きいと思う。私が同じ事をやれといわれても出来ない。不安定なエディでカヤックを降りながら岩にかじりつくのは難しいよ。
・中洲から岩1のAさんへロープを渡す。パットさんとスタッフ1名が水に飛び込んでロープ伝いに岩1へ。パットさんは裸足・・・。
この際、岩1のAさんに「下流を向いて岩に座り、ロープは腰の後ろに回して両手で持つように」という指示があった。このほうが安定するとのこと。動画を見ると、たしかに安定して牽引できている。
・岩1から岩2は歩いて行ける。カヤックにカラビナとロープを付けて、左岸にいるスタッフ2名にロープを投げる。2名でカヤックを牽引して、カヤックは剥がされました。

・カヤックが壊れていないか確認。フットレストを止めるネジが外れていた。ネジ穴が開いてるので、このままでは漕いでいる間に浸水してしまう。スタッフがウレタン片で穴を埋めるという応急処置をしてくれた。
パットさんが私のカヤックを見て言った。「これ、ウチで買ったでしょ?」 そうなんです!私はHOAに行ったことないしパットさんとも初対面ですが、このカヤックはHOAの通信販売で買ったのです。HOAが売ったカヤックがHOAによってレスキューされるという、数奇な里帰りをしたのでした・・・。
レスキュー動画 (動画が見れない場合はこちらのURL

動画の後半は、2日後に右岸の林道から撮影したもの。福山169.10くらい。3:08がビックママの最後のほう。上陸したのが3:16あたりの左岸。最後3:40の中州の手前にある三角岩が岩2。

《反省・たられば話・恐怖心》
「もし○○だったら」「あの時○○していれば」などの、たられば話は無意味ではなくて、次に繋がることだったり、他の人にも考えてもらうきっかけになるので書きます。

・反省すべきは、そもそも私が下れる水位ではなかった。誰でもダメというのではなく、私のレベルでは分不相応でした。ニニウホールが出てる水位でもダウンリバーは十分に楽しいので、それくらいが私に合ってるのかも。
もしビッグママで何も起きなかったとしても、赤岩橋から下流も無事にクリアできたとは限らない。赤岩橋~ラフトゴールまではホールだらけで、増水時は流速もあるのでボートスカウティングもままならない。ホールに誰かが捕まって沈脱した場合、瀬が続くので上陸するまでにそうとう流されるだろう。その間に、他の誰かが沈脱したら収集がつかない。そういうことも予見できなかった。なんとかなるだろうと。なんともならんわ。私のアホ。
この日のHOAブログのパットさんカヤックが水没してる写真はおそらく第一と第二トンネルの間と思われる。カヤックが全部水没してしまうほどのホールができる水位だったのだから。(パットさんは遊び心で狙ってホールインしてるかも) 
水のパワー的には湯原水位4.0mのみなかみぐらいだったと思うが、何度も下っていてアンパイなルートが分かっているみなかみと、岩だらけホールだらけで一度しか下ったことない鵡川では条件が違う。

・スカウティングが不十分だった。瀬の最後までスカウティングできるのに見に行かなかった。Bさんが足を怪我していたので岩場を長距離は歩けないだろうとAさんは配慮したらしい。他の人が見なくても、私個人は最後まで見に行くべきだった。しかし、もし落ち込みを見ていたら私はどう判断していただろうか。ド迫力の落ち込みに恐れをなしてポーテージしただろうか。それとも余裕で下れると思っただろうか。

・カヤック剥がし&レスキューに関しては人数が少なかった。一人乗りだから漕いでる時は個人の技量によるので、多人数いればピンしなかったなんてことはない。しかし、岩に張り付いたカヤックを剥がすことについては、人数が多ければ自分たちで解決できただろう。水の入ったカヤックはとても重い。ロープに捕まった人間を牽引するのも重い。HOAのレスキューでも2人ずつで行動してる。動画をみると張り付いたカヤックは周りの小岩にも嵌っているようで、パットさんとスタッフで岩から外そうと動かしてる様子あり、対岸からの牽引だけでは外れなさそう。こういった力のいる作業をする時に、一人だとカヤックやロープに引っ張られて落水する恐れがある。

・もし、HOAが現れなかったら我々はどうしていただろうかと考えてみる。動画のレスキューと同じことが3人でできただろうか。慌てずにプランを練り、すべてがうまくいけばできただろう。うまくいけばね。誰も落水しないことが条件。
3人だけで剥がすのは2次災害の恐れあるので断念した場合は、どんな選択肢があっただろうか。
前述したが、水位が変わって自然に外れるのを待つ?→何時間かかるか分からない。
道路に出るまで私が体ひとつで泳ぐ?→あちこち打撲、ヘタしたら骨折。泳いで再び上陸できるのか。(もし実際やってたら赤岩橋の瀬に入る前に左岸に上陸できたかも。)
私を置いて2人だけで下ってもらい救助を呼びに行く?→2人が無事に下れる確証は無い。たぶん大丈夫だろうけど。それから、どこに救助を求めるのか。よそ様に迷惑をかけるのか。
実際のところ、HOAはお客様を連れてツアー中だったわけで、お客様を待たせてしまい、迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ありません。

・脱してから川の深い部分を流されていた時の体勢も反省せねばならない。フローティングポジションをとるべきだった。特に、両足は短く畳んでおくべき。フットエントラップメントしたら死ぬ。
もし、自分でスプレースカートを外していたら、グラブループを掴みたい一心でパドルを捨てていたかも。ゆるいスプレースカートをしていたのでピンした2秒後に水圧で外れて、パドルを持ったまま流された。パドルを失くさなかったのは良かったこと。
スプレースカートは後日にHOAでサイズの合った物を購入しました。
PFDをしっかり装着していたのは良かったこと。もし装着が不完全だったら、流されてる間に脱げてしまい溺死していたかも。いつなんどきもPFDの紐はしっかりと締めましょう。

・恐怖心について。海外を含めてあちこちへ行ってアホのように漕いできたが、実は今まで川では怖い思いをした事は無かった。一緒に漕いでいた人が、怪我をしたり、怖い思いをしている場面はあったが、私自身が怖い・死ぬかもと思った事は無い。(海では有る。バリで。) もちろん、危険そうな場所・恐ろしい目に遭いそうな場所にはハナから近づいていないからだけど。
ビッグママ前半でノーコントロールの恐怖を感じて、心がぶるぶる震えたと前述したが、川でそうなったのは初めてだった。現場での恐怖のピークはこの時だった。
ピンは一瞬のことだったし、深い場所を流れていた時は自分がどこにいるのか理解してなかったので、恐怖を感じる間も無かった。
ピンについての恐怖は、川から上がった後に沸いてきた。自分の目で見えていたが、ピンは浅いものだった。浅い川をボトムを擦りながら下っている時に、岩に乗り上げるように横向きにひっかかっちゃう時ありますよね。ああいう感じで斜め横向きに止まりました。バウ先が深く刺さったのではありません。しかし、もし深く岩に挟まっていたら・・・、もし深く挟まったうえに何らかの衝撃で私が気絶していたら・・・、流されている間に川底の障害物にひっかかっていたら・・・、そんな想像がどんどん沸いてきて恐怖心に襲われました。ノーコントロールの恐怖を感じた時の映像、ピンした時の映像、長時間を浮上できなかった水中の映像、目を閉じるとそれらがフラッシュバックしました。とても怖くなりました。
丸2日は漕がずに傷心のまま過ごしていましたが、「このままでは二度と赤岩青巌峡を漕げなくなってしまう。このままでは川下りするたびにネガティブ思考に捉われてしまいむしろ危険。」と思い、3日目にHOAのラフトに伴走する形でカヤックツアーをお願いしました。
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ツアーはやはりラフトスタートからで、ビッグママはやっていません。
ニニウホールが出てる水位で、十分に面白かったです。春にソロでやった時と同水位。
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・これまで川でトラウマになるような怖い思いをしたことが無かったと前述しました。それは運が良かったからでしょうか。いいえ違います。運という言葉は使いたくありません。神様やご先祖様が守ってくれていたからでしょうか。それも違います。
私が今まで、致命的な怪我もせず、危険な目に遭わずに、怖い思いしないでやってこれたのは、一緒に漕いでいる人々が守ってくれていたからなのだと、しみじみ思います。危険へのアンテナを張りめぐらし、安全なダウンリバーへと導いてくれる人。「この川(or瀬)は、君には難しいからやめなさい」と言ってくれる人。挑戦を支持をして後援してくれる人。今まで一緒に漕いでくれた人々、全員にお礼を言いたいです。ありがとうございます。
私も一緒に漕ぐ人を守りたいです。私は漕ぐのも下手だし、体も小さくて非力ですが、やれる範囲のことで守りたいと思います。


ここから先は重要度が低いので読まなくていいです。もう読み疲れたことでしょう。
《スズメバチ刺傷》 
スズメバチに刺されるなんて、どんなに運の悪い奴だよ、あたしには関係ねーぜと思っていましたが、刺された・・・。
スズメバチの習性や刺傷時の処置などは検索すればいくらでも出てきますので割愛。私個人の症状について記します。
大きくはなかったので、キイロスズメバチとかヒメスズメバチとか呼ばれるやつでしょうか。
刺されたのは膝の皿の直上。皮膚の下は薄い脂肪と骨という、大きな筋肉が無くて血流の少ない場所だったのも軽症の一因か。
薄手のタイツの上から刺された。たぶん針は残って無かったので、ハチさんの本気の刺しではなくて、警告程度だったのかも。
ズキンとした強い痛みで、痛い!と思わず声を上げました。痛みだけで、気分不快や息苦しさなどの急性症状はありませんでした。死亡の恐れもあるショック症状は、抗体ができた2回目以降に刺された時になると聞きますが、なる人は初回でもなっちゃうらしい。
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刺されて1-2時間後:局所の痛みと、膝が腫れた。全身症状は無かったが、念のため病院に行こうと、近くの診療所に電話したところ、全身症状が無ければ局所を冷やせばよいとのこと。昼に刺されてから夜中まで、ずっと痛かった。刺入部がピンポイントにズキーンと痛い。氷で冷やすと痛みが緩和するので、冷やし続けた。手持ちのステロイド軟膏を塗布した。
翌日:刺されて24時間以上経過した頃から痛みは軽快。
2日後:腫れもひいてきた。診療所で診察してもらったところ問題ないとのことだったが、私の希望でステロイド軟膏と内服薬を処方してもらった。
数日後には、痛みも腫れも無くなり、軟膏を塗るのも忘れがち。軽症で良かった~、もうすぐ完治するっしょと思っていた。
一週間後:刺入部ではなくて、膝の両側に湿疹が出現。かゆい!なんじゃこりゃ~。軟膏を塗りまくったら一日で痒みはおさまった。
その後、刺入部に黄白色の膿がたまる。二次感染しちゃったみたい。腫れや痛みに対するステロイド軟膏だけじゃなくて、消毒したり抗生剤軟膏も塗布したほうが良かったのかなー。膿はかなり長く続いて、消えるのに3週間くらいかかった。現在は治癒しました。
ハチ毒アレルギーの抗体は刺されてから一ヶ月後くらいにできるらしいので、そろそろ抗体検査をします。抗体ができていた場合はアナフィラキシーショック対策としてエピペン携行しないといけないらしいです。

ここから先は重要度がますます低いので読まなくていいです。
《余談》 
余談1。ビッグママでのピンについて。私は瀬の前半で右岸に寄せられてから、後半の落ち込みを下りた。右岸に寄せられてるのでどうしても左岸に向かって漕ぎ出すようになり、落ち込みを下りる時もバウは真下を向かずに、左岸を向いた斜めの状態で下りたら、大岩の右岸側の浅くなった部分に乗り上げるように斜め横向きにひっかっかた。たらればになるが、大岩に近づかないようにして、一番水深のある真ん中を、バウを正面に向けて落ちれば、引っかからなかったのではなかろうか。根拠の無い推測だけどね。
渇水の時に観察しに行きたい。過去にピンしてる人が他にもいるらしいので、原因となる形状があるはず。
写真は2日後撮影の、右岸の林道から見たビッグママの最後だが、どこが脱した場所か分かんない・・・。
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余談2。浮上しなかった秒数について。こんなこと振り返っても意味ないけど、気になる。いったい何秒間だったんだろう。動画撮影してれば分かることなんだけど。
前述しましたが、本人は長く感じるとはいえ、やはり15秒はあった気がする。ストップウオッチで秒数を計りながら、脱してから浮上までを思い起こしてみると、短くても25秒もある。30秒近くも流れてたなんてあり得るかな。スクォートのミステリーだとそのくらい珍しくないのかな。
脱してるのに顔が出ないという経験は以前にもしていて、桂川アッパー動画に記録あります。2:47からハラキリを下りて捕まる。3:06あたりでスプレースカートを外してから、顔が出るのが3:14。約8秒のミステリー。ヘルメットが透けて見えるほどの深さにいるのに顔は出ないんだよね。水面の流れじゃなくて、水面よりも深い部分の流れ乗ってるから。
桂川の動画 (動画が見れない場合はこちらのURL

今回は体感として、これの倍以上はあったと思う。なので20秒以上あったのかも。
ハラキリでは数十センチ頭上に水面があるのが分かってたけど、今回は水面までの距離も分からないほど深いし。ハラキリの時はレスキュー体勢ばっちりだし、それまでに複数回ダウンリバーしてるので下流がどうなってるか知ってるし。今回とは条件が違う。

余談3もあるんだけど、字数制限で入力できないのでコメント欄に書いてあります。

by ya-ri-sa | 2014-08-19 23:55 | 川部  

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